会場風景(撮影:リラ)

               報告:川野紀子・副会長・あけぼの兵庫代表
                          akebonohyogo@gaea.ocn.ne.jp

 

日時:2025105日(日)13001630
会場:東京ウィメンズプラザホール
参加:167名(会員+一般

充実した内容で、大盛会!大満足!
 今年も全国23の県(北は北海道、南は福岡、佐賀)から、たくさんの会員と会員の家族、そして、一般の方も参加して、乳がん月間にふさわしいプログラムで、和やかに、楽しい、意義深い一日を過ごしました。

歴史を感じた会長挨拶
 大会前、喉の調子が悪く、息が苦しくて咳が止まらなかった会長さんでしたが、この日を目標に気力で治し、立派に開会の挨拶をされました。さすがレジェンド!
 47年間、会を牽引してきた重みが一言一言から伝わり、「がんの後も自信を持って生きる」のメッセージが力強く、愛を込めて、会場に響き渡りました。

 中村清吾先生追悼
 40年以上の長きにわたり、あけぼの会と共に歩んで下さった、我らがこよなく愛した中村清吾先生が5月にご逝去されたので、みなで生前の先生を偲びました。先生とずっと一緒だった聖路加国際病院・乳がん看護認定看護師の金井久子さんが「中村先生が残した乳がん患者さんへの愛」のお話をされました。
 そのあと、やさしい音楽が流れる中、先生の若かりし頃から近年までの姿をスライドショーで流し、みなが一緒に先生を回想しました。そして、全員で「千の風になって」をテープに合わせて合唱、歌いながら、涙がこぼれそうになりました。

 「ネット時代怪しい情報に騙されない」
 勝俣範之先生(日本医科大・武蔵小杉病院・腫瘍内科教授)が、昨今、インターネットでいくらでも情報が入る時代になったが、正しい情報と怪しい情報の見極めが大切で、怪しい情報に騙されない指針をユーモアを交えて教えて下さいました。
 エビデンスに基づいた標準治療が信頼できる治療で、先進医療は良い治療でも保険適用にならない場合もあることや免疫療法を謳って安全性や有効性が検証されていないのに高額な費用を請求される場合があるので騙されないようにしよう、と話されました。

「サバイバーシップケアー・がん研有明病院の取り組み」
 がん研有明病院(トータルケアセンター・サバイバーシップ支援室)で、がん患者を日々支援している片岡明美先生に病院での取り組みを伺いました。さすが日本を代表するがん専門病院だけあって、充実したサポートが受けられることを羨ましく思いました。
 患者さん一人一人の年齢や生活環境・背景に応じて支援することを心がけている、本来の自分を取り戻すために大切な支援をお手伝いしている、と謙虚に話されました。

 「令和の時代、最新治療にどう取り組む?」
 清水千佳子先生(国立国際医療センター・腫瘍内科診療科長)は、これからの時代は最新の治療がより身近になっていくと話されました。治療の途中で生検を行うことで新しい選択肢が広がる可能性もあり、数ある治療法の中から最善の治療を選ぶためには「医療者とのコミュニケーションが大切」と強調されていました。新薬の開発のスピードもさらに加速していくかもとも言われ、未来に期待が膨らむお話でした。

 壇上と会場が一体となったパネルディスカッション
 「がんの後を生きる」というテーマで、色々な角度から話が出ました。まず最初に、がんを告知されてすぐに仕事を辞めてしまう人がいるけれど、がんになっても治療をしながら働くことは可能なので辞めないでと言われ、そのあと、各県の代表から、がん患者の労働問題の取り組みが紹介された。
 また高額療養費制度を利用しても日々の生活は苦しいと訴える患者に、主治医に月をまたがずに治療をお願いしたり、がん支援相談室を上手く利用しようとアドバイスをされた。
 またソーシャルワーカーや社会福祉士、ファイナンシャルプランナーも、うまく活用したらよい。また、勝俣先生からは、ほとんど知られていないが障害年金が、がん患者でも受給対象になる、との朗報を聞きました。公的年金制度なので対象になる人は利用したらよいとの事でした。

 全国大会で感じたこと
 今年のプログラムは、最新の治療法にこだわらず本当に患者にとって生活をしていく上で必要な情報が満載だったと感じます。患者が、ヘルスリテラシー(健康や医療に関する正しい情報を入手・理解し、正しく活用する力)をきちんと身につけてがんの後を生きていかなければと思いました。

 大会こぼれ話
 勝俣先生が、Facebookで全国大会の事前予告を2回、大会の始まる寸前に「今から始まりますよ」と呼びかけて、それに応じて当日来て下さった人が何人もいました。その中にはNHKさんもいてビックリしました。最後のアップは【ワット隆子さんと。今回は47周年で50周年まで、頑張りたいとのことです!】と、プログラムの裏表紙の「がんのあと潔く生きる10か条」と会長と二人のツーショットを載せておられました。「イイネ!」がたくさん来て、「素敵な生き方の10か条」とか「10か条すばらしいですね」とか、「10か条を読んで考え方、生き方を変える」とかのコメントがありました。会員は見慣れている10か条ですが、初めて目にされる方には新鮮で強烈な印象を与えたようでした。

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